いいづかさんちのエコロジカルワールド


管理人の「なつかしい日記」


小学6年のころ進学塾主催の夏合宿に参加して
十和田方面に行ったときに書いた日記



1973/07/29の日記



「7月29日 土 天候 χ 体温 ?
今日はこうしゅうでいちばんさいごの日なので、
いっしょうけんめいやりました。
あしたのテストにきたえます。
それから あとはあしたかきます

日記は一日の心の記録、
日記の乱れは心の乱れです。
明日に期待します。



眠くて眠くて、もう限界であるということを表現した見事な日記であると思えますが、
みなさんはどのように評価されますでしょうか。
なにしろ、6年生なのに漢字は「土」「今」「日(2回)」しか出てきません。
明日のテストに「鍛える」のではなく「備える」といいたいのでしょう。
つまり、明日に備えて「もう寝ます」という意味です。
極め付きはその下。
睡魔に負けて崩れ落ちて行くさまを
「あとはあしたかきます」で視覚的にも表現しています。
アートとして、かなりの完成度を感じます。

それにしても、検閲者は冷静に句点を書き加えたりしていますね。
また、検閲者はなにか念仏を唱えていますが、
この日の日記は「乱れ」を超越したアートとして完成されており、
心は「明日のテストのために準備は十分、あとは寝るだけだが、
睡魔が襲っており、たったいまからでも寝ることができる」という
一本筋が通った精神状態であり、乱れているとは考えられません。

それにしても、講習の最終日(翌日は試験の日だったらしい)なのに
「あした」も日記は強要されるのでしょうか、
本人も検閲者も「明日」に言及していますね。
それとも、明日の試験に期待しているのでしょうか。
進学塾の合宿なんですから、試験の結果が上々であればそれでよいはずですが、
本人と検閲者の毎日のやり取りを見ていると、
日記は合宿の目的を大きく逸脱して精神修養の場と化しているようです。


次は7月30日の日記


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