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梅雨時の曇天はどうしても室内遊戯に閉 じ籠って、自ずと眠りの王国の奴隷にな り果てたり、まるで牢獄から目に入る娑 婆を眺める囚人が視界と自分の距離を 測るように、別世界を見る思いで、窓から 雨に煙る窓の風景をボンヤリ眺めていた りする。 菖蒲は、そんなモノトーンで憂鬱な季節 から覚醒させてくれる花だ。 菖蒲園といっても、確かアヤメ、燕子花も 植わっていたと思う。アヤメ、燕子花、菖 蒲の区別が堀切菖蒲園の園内の案内に 書いてあったはずだが、忘れてしまった。 | ![]() |
![]() | パソコンでアヤメと打つと菖蒲に文字変換されたりするし、その分類学的な関係は混乱したままだ。こじんまりとした庭だが、都内ではこれだけ壮大にアヤメや燕子花や菖蒲を見せてくれる場所はない。 また、入場無料というのがうれしいではないですか。菖蒲園を見た後、荒川沿いを散策するのもいいと思う。 岸際に雑草が生い茂っていたり、コンクリートの護岸が途切れていたりして、以外に野趣のある風景がそこにはある。(穴倉散士) |
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