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亀戸天神

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東京の藤の名所では、亀戸天神がつと
に有名である。その昔、江戸時代には、
庭池に藤棚を配して長い房が水面に枝
垂れ架かる風情を粋人は愛したようだ。

広重の名所江戸百景の中では、前景に
長い房の藤が枝垂れて、背景の太鼓橋
を映している。

5月に新緑を眺めに渓谷に足を運ぶと野
生の藤が山間を彩っているのをよく目に
するが、野生の藤の房はどれももっと短く
小ぶりだ。やはり、掛け合わせしたり、手
入れしたりしないと、藤の房は長くならな
いのだろうか。

いずれにせよ、亀戸天神のあちらこちら
に設けられた藤棚には、季節になると、
びっしりと藤の花が一斉に房を垂らし、そ
の密度感と淡い色合いが、あたかも雲か
霞みのように中空を漂う不思議な光景を
現出する。
博覧強記の露伴は、もちろん植物に関しても深い造詣をもち、藤について、「この花みれば我が心は天にもつかず地にもつかぬ空に漂いて、ものを思うにもなく思わぬにもなき境に遊ぶなり」と随筆で語っている。

ただ、亀戸天神の人出は相当に凄い。花のお江戸以来の名所とはいえ、その昔、お江戸は世界に冠たる十万人都市だったそうだが、現在はその百倍の人口を抱える都市だ。

広重の名所江戸百景の中に登場する朱塗りの太鼓橋も見物客で鈴なりだ。
(穴倉散士)

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