東京から結構遠いから当然かもしれない。しかし、どうもそういうことではないようだ。多分、一度入ると人を虜にするあの白味がかった緑色の熱い湯に原因がありそうだ。湯に淫するというか、他のことをさて置いて湯に没頭してしまう羽目に陥り、少し大げさにいうと、一時的に日常からすっぽり切れたみたいな感じになるからじゃなかろうか。


お湯に入ること以外では、せいぜい、湯畑の周りを回ったり、小さな路地を覗いたりするくらいしかすることがない。その辺りの商店は、古い温泉場だけに、確かに構えは古臭くても、まだまだ現役で、他の温泉場のようにポツポツ廃屋が並んでいるようなことがないのは、さすが草津と頷いてしまう。


温泉に行くと、大なり小なり、日常のわさわさから切れて、別の時間を刻むようなところはあるのだが、食べたり、飲んだり、遊んだりすることにも気が働くものだけれど、草津に行くと、どうもお湯に身を捧げる位の感じになるから不思議だ。

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草津を堪能した翌日は、白根から志賀高原の方に抜けてみると、それはまたそれで、少し荒涼とした風景が都会の疲れを洗い流してくれる感じだ。
もちろん、秋の紅葉シーズンが最高なのは言うまでもない。








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