大分県の耶馬溪、小豆島の寒霞渓と並ぶ日本三大奇勝の一つとされているらしい。その生い立ちというか、このゴツゴツというよりもギザギザの稜線をもつに至った地質学的なメカニズムには興味があったが、驚くことに、最近までその詳細は解き明かされていなかったそうだ。水墨画の世界で仙境のアレゴリーともいえるような峩々たる山がちょうどこんな稜線をもっているが、それはある意味、概念的なものであるはずで、ならば、妙義山は概念が物質化したようなものということになる。 小難しいことはともかく、妙義山ほどの迫力はないが、房総の鋸山も峩々たる山で、ともに日本百名山であることを考えると、人間は、稜線がギザギザの山が何故かしら好きらしい。確かに眺めていて気持ちがいい。(穴倉散士) |  |