 趣味の関係で、栃木は北部の山間ばか りうろうろしている内に、何十年も経って、 そろそろ目標のハッキリした行いへの情 熱が色褪せてくる一方で、街歩きみたい な漠然とした無為の方が気持ちに馴染む ような気がする今日この頃である。
 線的ではなくて面的にあっちこっちうろつ いてみたくなるのだけど、そうすると、今 まで訪れなかった栃木南部の辺りが地図 上に浮上してくる。栃木市の古い町の一 角なんかに惹かれるわけである。さっそく 行ってみたのだが、端倪すべからざる蔵 の街である。 | 蔵が沢山あるだけじゃなくて、蔵じゃない 建物の多くが大正や昭和前半の和洋折 衷だったりして、時代錯誤に陥る。また、 運河がいい。運河=商都=蔵というパタ ーンは佐倉も同じだ。
たまたま、栃木蔵の街美術館(三連の蔵 のある写真)で、高橋由一関係の展示を やっていて、例の「鮭図」があった。カット した断面にてかった脂分に食欲がそそら れた。

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