瀬戸内海に浮かぶ小さな大崎下島。 聞いたことのない島の名前であるが、瀬戸内の島々を橋で結ぶ「しまなみ海道」「とびしま海道」を自転車で回った際に、この大崎下島を訪れた。 大崎下島は広島県の呉市に属し、この島の一画に御手洗(みたらい)と呼ばれる地域がある。 江戸時代から昭和30年頃まで、潮待ち・風待ちの港として賑わったのが御手洗地区だそうである。
2012年に瀬戸内を自転車で回る旅のルートを検討中に、「とびしま海道」の中にこの地を見つけた。 {しまなみ海道}や{とびしま海道}の観光ポイントなどを調べると、平安末期の源平に絡んだ逸話などを多く見受ける。 さすがに江戸以前は、西日本が日本の文化や経済の中心であったと再認識させられる。
この御手洗のある大崎下島に関しては,姉妹サイトである「のんびり山の風」内の、「瀬戸内ゆらり島めぐり」にて、他の見どころなども含めて紹介しています。
大崎下島の海岸線を走る道から一歩中に入ると、まるで江戸から昭和初期にかけての時代へタイムスリップしたような錯覚に陥る。古い商家から大衆劇場、映画館 さらには洋館などが細い路地に軒を並べている。 瀬戸内は潮流が速いため、北前船など江戸時代の舟は沖合の島で汐待ちや風待ちをする必要があったそうだ。
この御手洗はそのための港として賑わい、100人以上の芸妓を抱える待合茶屋も置かれていたそうである。 しかし昭和に入り船舶機関の発達により風待ち・汐待ちが不要となり、御手洗の街も寂れていったそうである。
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港側から見た御手洗の街 |
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街中に一歩入るとレトロな家並みが続く |
家々の玄関口にはすだれが掛けられ花が活けられている。 このような風習は昔からのものではなく、観光地として売り出すためのものと思うがだ、住民たちは結構大変なのではないだろうか?
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玄関先には綺麗な花が活けられている |